本『13階段』2006年11月01日 21:03

作者:高野 和明
出版社:講談社(講談社文庫)

すげー、面白い。
2冊分の話を1冊にまとめたぐらいに、内容が濃い。
ミステリ的な謎解き要素と、殺人・死刑執行を巡る苦悩や現行制度に対する不満が見事に一体化している。

この本が、江戸川乱歩賞を獲得しているんですが納得です。
この作者、天才です。

グレッグ・イーガンの長編も、SF・ミステリ・風俗なんかが混ざっていて、圧倒されたんですが、イーガンの書くスケールが大きいのに対して、この13階段は、個人に焦点が当てられている分、人の抱える悩みの深さ・重さをより生々しく感じられます。


殺人罪で死刑が執行される予定の人間がいるのですが、彼には犯行時の記憶が欠落しているという問題があります。
その為、自分が本当に殺したのか分からないまま、有罪となり極刑を言い渡されているのです。
その人を救う為に、刑務官と酒場でのケンカで相手を殺してしまった若者の二人が事件解決に奔走する話です。

この本を読んでいると、小説とは違う次元で、色々と考えさせられます。
死刑制度は必要なのか?
刑務所は犯罪者を更生させるためにあるのか?それとも罰を与えるためなのか?
反省しているかどうか本人以外は判断できないのに、反省しているからといって減刑されていいのか?
こういった答えのない疑問が出てくるのは、下調べが綿密になされているからだと思います。

そして、圧巻なのは、刑務官が過去に犯罪者を絞首刑にしたときの場面です。
見てきたんじゃないかってぐらいに、真に迫ってます。


そういった面とは別に、ミステリ的な要素も当然あります。
真犯人は誰なのか、第三者か事件の関係者なのか?
出てきては消える様々な可能性。
そして、二人の調査は死刑執行までに間に合うのか?


そして真犯人が分かって終わりかと思うと、読者にとどめの一撃ともいえる犯人との対決が襲い掛かります。もう、読むだけで運動したかのような疲労感に見舞われます。
いやー、いい本だ、こりゃ。

お仕事:ソフトウェア業界の情報隠蔽体質22006年11月02日 23:33

では、もう一方のまだばれていない問題についてはどうか。

まず、私個人では、いくつかの要素を考えて客先(一次請けの会社)に報告するかどうか決定します。
その要素としては、以下のようなものがあります。
・発生頻度 普通に使っていれば全く起きないものか、普通に使っていても起きるのか。
・障害度合い 発生しても運用に支障がないか、運用が影響があるか。
・原因 気がつかないような原因なのか、あまりにもお粗末なミスなのか。
・改修時の影響度 こっそり修正した場合に、その修正が原因で別の問題を引き起こすか、起こさないか。
・他の問題の発生状況 ただでさえ問題があがっている状況でさらに問題を増やすのか、その問題に合わせて報告できるか。

などなどを頭の中でゴチャ混ぜにして、報告するか、コッソリ直してしまうか、見なかったフリをするかを判断します。
ただし、それでも上で握りつぶされる場合があり、必ずしも問題が表面化するとは限りません。

私は技術屋なんで、基本的には片っぱしから直します。直さないのは、まず起きないわ、起きても気がつかないか、ほとんど影響ない場合です。
あとは、純粋に他の問題がたくさんありすぎて手がまわらない場合ですね。

ちょっと話がそれますが、私のように、直しまくるというか、直さないと気がすまない人間は、会社からはあまり好かれません。
なんでかというと、金にならないからです。
どうでもいいような問題を直した人間に給料を払わなきゃならないんですから、そりゃ嫌われます。
で、私もそこらへんは分かっているんで、コッソリ直したりするわけです。


ばれていない問題をどうするかについては
「報告する、報告しない」
「改修する、改修しない」
その組み合わせの対応が考えられます。
報告する場合は、前回の過少や偽証なんてオプションもつきます。


この問題の重要なポイントの一つは、バグを隠蔽することに対して罪悪感が無いことです。
そりゃ致命的はものを隠蔽するのは、ダメだと思ってますし。
客先が不便を被るかどうかを考えはしますが、罪の意識はほとんどありません。
悪いと問われれば悪いと答えますが、それが罪悪感と一致しないというのが私の心情です。

こういう例が良いかどうか分かりませんが、万引きは悪いと分かっていてもやってしまう、そして見つかっても反省しない人間のようなもんです。
悪かったのは、見つかってしまった手順であり、行為そのものが悪いとはあまり考えません。


今回の話は、業界ネタというよりは私個人の話になってしまいました。
ちょっと反省。

映画『デビルマン』2006年11月03日 21:08

ダメ映画という悪評で評判の実写版デビルマンです。
見る気はなかったんですが、会社で無理矢理貸し付けられたので、仕方なく見てみました。

うーん、確かに失敗映画だなこりゃ。

脚本は重いテーマを扱おうとしているんだけど、あっちこっちブレちゃってて、落ち着かないし、役者の演技は軽くて、脚本についてこれないし。

何より、アニメのデビルマンの印象が強いと、全然違うんで、ストレス溜まりまくりです。
まあ、N村は別の話だと思いながら見てたんで、まだマシでしたけど。。。


本来は、不動明がデジルマンになったことへの苦悩や、他の人間からデーモン扱いされる苦痛、魔女狩りのようにデーモン狩りをする/される人々なんてものが、やりたかったんじゃないかと思うけど、それが見事なまでに失敗している。

何がダメかって、TVのヒーローものか時代劇かって感じで、演技が終わるまで、みんな待つ待つ。
おかげで正気を失って暴徒と化した人々の怖さ半減、っていうか開いた口がふさがらんわ!!
まったくもう、まあTVのヒーローものレベルだと序盤で気付いたから、精神的ダメージは少なくて良かったけど。
それでも、見てて恥ずかしかったぞ。

シレーヌは最初に出たっきりだし。
ジンメンは一撃でやられちゃうし。
他のデーモンは銃で死んじゃうし。
この辺りも、かなり不満ありまくり、もっとデーモン軍団活躍しろよ!


首チョンパシーンはなかったけど、さらし首があったのがせめてもの救いですな。
あとは、ラストの人が一体化していくシーンはOKでした。


まあ、アニメとかマンガの実写化は難しいってことですね。

映画『バタリアン4』2006年11月04日 22:18

このシリーズってまだやってるんですね。
近々バタリアン5が公開予定か公開中だったはず。

昨日見たデビルマンとどっこいどっこいの出来です。

ゾンビ映画なんで、明確な首チョンパシーンはありませんが、首がちぎられるシーンはあります。
その他、スプラッターシーンはいっぱいあるんですが、なぜかあんまり怖くありません。
かと言って、コメディ路線でもないのが困ったところです。


細かい伏線の張り方はご都合主義っぽくなくて、好感が持てます。
警備バイトをしてたり、バイトの相棒の勤務態度、ハッキング出来ることや、体操をやっている等々、ほとんどのものは事前に説明がされていると思います。
このあたりは、他の映画もみならってほしいもんです。

そういう細かい点は気配りがなされているんですが、映画そのものがイマイチ面白くない。
こうやって、感想を書いてて、良くも悪くも印象に残らん。


サイボーグがゾンビ化した、メカタリアン(正式名ではない)が出てくるんですが、弱い!!
期待させるだけさせておいて、あきれるほど弱い。
ゾンビ化させない方が良かったんじゃないのか?
2体でてくるんですが、両方とも女の子にやられちゃいます。まあ、一匹は最後にちょっと頑張ってくれましたけど。
もっと、ゾンビも人間も関係なく殺戮の限りを尽くしてほしかった・・・

そういや、ノーマルゾンビも弱い。
っていうか、脳を破壊されなくても、やられちゃうし。それじゃ、ゾンビじゃないでしょ。そのルールは守ってほしかったな~。


まあ、見ない方がいいでしょう。
百歩譲って、バタリアンファンだけ見て下さい。

麻布大学 大学祭2006年11月05日 22:26

Silent Sproutさんがライブやるってんで、麻布大学の学園祭に行ってきました。

盛り上がっているのは、飲食の模擬店とフリマぐらいでしたね。

メインステージで何かやってましたが、お寒い状況でした。
司会の方が大変だったのではないかと思います。

私が目的でいった、Silent Sproutさんの方も、かなりお寒い状況・・・
ライブを見ている人はほとんどおらず、たまたまそこに居たから見たって感じの人ばっかりでした。


お祭りごとは、自分が活動しない限りは興味がほとんどないんで、模擬店なんかはパスして、大学及びクラブ活動の展示を見てきました。

野鳥研究部では、鳥の骨格標本が飾られてまして、鳥の骨が見えるわけです。
そこにあるのは、フライドチキンの骨なんかとは全然違うホネ!!
いや、薄いわ。
噛んだら、ペキッって折れそうなぐらい薄い。
ほとんどは棒状のホネなんですが、頭骨や胸骨の一部には面上の骨もありますが、それが和紙のようにペラペラ。
普通の人には分からないのを承知で例えると、立体物をシリコンで型取りして、キャストに置き換えるときに、シリコン同士の隙間に流れ込んだキャストのバリのような薄さです。(分かんないよね)

あと、フクロウの羽が触っていい展示物として置いてありました。
驚いたのが、フクロウの羽って、布みたいになっているんです。
今まで鳥の羽って、櫛のように毛が離れているもんだとばっかり思っていましたが、フクロウってくっついているんです。
だからどうだと言われると返答に困りますが、驚きでした。


そして、標本室が開放されていました。
いや~、なかなかイヤなもんですね。
ホルマリン漬けにされたブタやイヌの奇形が飾ってあったり、いろんな病気や寄生虫に侵された臓器があったり、あっちを見ても、こっちを見てもそんなもんなんで、目を休めることが出来ません。
おまけに隅の方でとはいえ、動物の病理解剖のビデオ上映なんかやってるし。でも、子供は平気で見てましたね。
まあ、キレイ事ばかりではない、命を扱う一面を見せられました。

そこに臓器の血管標本があったのですが、どうやってコレを作っているのか気になってしまいました。
細かさでいうと、ワイアール星人や、ガラモンの比じゃありません。(だから、ガラモンはともかく、ワイアール星人なんて知らないって)
逆ツリー状のものから、モノによっては、タワシ状だったり、スポンジ状だったり、サンゴみたいだったり、ともかく細かいものばかりで、しかもキレイに立体構造を維持してます。
おそらく、こうであろうというのが頭によぎりました。
まず、動物の血液を全部抜き取ります。そして、血管に今度は赤とか青で着色した樹脂を流し込みます。
真空脱法して、毛細血管にまで樹脂を流しこんで、樹脂が固まるのを待ってから、薬剤につけて、肉組織を溶かします。
ひょっとしたら、血を硬化させる薬品があるのかもしれませんし、肉組織を溶かすのに、微生物等を使っているかもしれませんが、概ねあっていると思います。
なんか想像したら、余計に気持ち悪くなってきちゃったよ。